短く強い言葉で相手を動かそう。
ブログやSNS、普段のコミュニケーションにおいて何を大切にしていますか?
「伝え方の工夫」や「理解してもらうための工夫」をしている方は多いかもしれません。
例えば本を読んだ感想を相手に伝えるとき、大切だからと言って本の内容を隅から隅まで伝えようとしても、情報量が多すぎて伝わりにくい事って結構あるのではないでしょうか?
「伝える・伝わる」ために大切なことは、「良い情報を沢山言おうとする」のではないということです。
では一体、どのくらいの文字数で、何をどう伝えることが「良い伝え方」になるのでしょうか?
今回は「20字に削ぎ落せ」という本を紹介しながら説明しようと思います。
・この記事を読んで欲しい人
・ブログやSNSで成果を出したい人
・スピーチやプレゼンで上手くいかない人
・相手に伝わる、相手を動かせるようになりたい人
・自分の想い/考えを上手く伝えたい人 …
【20字に削ぎ落とせ】
著:リップシャツ信元夏代
マッキンゼーの戦略コンサルタントを経験し、
「8歳の語彙力」&あがり症の純ジャパながら、ニューヨークのスピーチ大会を4連覇した著者が
「ロジカル思考×ストーリー」でプレゼン・会議・営業・面接で“相手が動き出す"伝え方を伝授する。
・たった一つの大事なメッセージに絞り込む事!!
余計な言葉を徹底的に削ぎ落とす事で、いかに伝わりやすくするか具体的に表現する事で、たった5分でもいかにドラマチックに相手を動かせるか。
ワンビッグメッセージ(たった一つの大事な言葉)に絞る!
ワンビックメッセージは伝えたい事、つまり核となるメッセージのことです。
伝えることの ”本質” を考えることで導き出されます。
では、ワンビックメッセージの基準となる言葉数(文字数)はどれくらいがベストなのでしょうか?
『20字』で語る事でより明確に意図したと通りに!
著者がここで語っているのは、「20字」です。
30字でも40字でもダメ、大切なメッセージ(核となる言葉)は20字で語るべきなのです。
では普段の会話やスピーチ・プレゼンなどで何故言いたいことが伝わってないなどの現象が起きてしまうのでしょうか?
何故言いたい事が伝わらない?(原因)
私たちの想いが上手く伝わらないのは一体どうしてなのでしょうか?
・伝えたい事が沢山ある。
伝えたい事がまとまっていない、本質的に(結果1番言いたいことは何なのか?)を考えられていないことが原因で話が洪水してしまうからです。
大切なのは「ワンビックメッセージ」です。
・自分視点で語ってしまう。
相手に話しているのに、いまいち伝わっている感じがしない、反応が悪いと感じる原因は自分視点でばかり語ってしまっているからかもしれません。
「伝えたいのは誰か?」
これを考えることが大切です。
「自分目線」から「相手目線」に変えることで相手は「自分事」になって考えます。
・未来予想図が見えない。
人が商品を購入しやすいのはどういった時なのか?
それは、商品のいいところを満遍なく伝えた時ではなく、「それを買うことで得られる結果(幸福)」(未来予想図)を描けたときです。
つまり、本当にうるべき物は『商品』ではなく、『未来予想図』。
→商品の良さも必要ですが、人が動く時は「理論より感情が動く時」です。
その商品を購入することで得られる『結果(未来予想図)』を明確にする事が大切です。
・成功談ばかり。
成功談を聞いても人は行動しよう!とはなりません。
何故なら、感情が動かないからです。
「あなたと私は違う」「あなただから成功できたんでしょう?」とどうしても他人ごとになってしまいます。
大切なことは、「成功談」よりも「失敗談」。
共感を得ることが何より大切です。
・高コンテクストである。
「高コンテクスト」は非言語の大きい文化、「低コンテクスト」は言葉に頼る文化のことを言います。
上司が「おい」と言えばお茶を出すなど、日本には多くを語らず察することが美徳とされます。
そう言ったことで、日本は世界最高峰の「高コンテクスト」の文化だと言えます。
しかし、相手に何かを伝えるには「高コンテクスト」では細部まで伝わりません。
→プレゼンやスピーチでは相手が誰であっても、低コンを心がけて曖昧さを無くすことが大事だと言えます。
・正しさを振りかざしすぎている。
人は理論だけで動く生き物ではありません。
正しさだけ振りかざしていても効果が出ないのは、正しさだけでは感情が動かないからです。
では、大切なことは何か?
伝わらない原因と対策を少し書きましたが、では「伝わる」それによって「自分が望む成果を出す」にはどうすればいいか?
そしてそれらを踏まえて、大切なことは何か?をまとめます。
・Kissの法則
「kiss→keep it simple,stupid/keep it simple short」
『簡単・簡潔・簡明に話せ』
ワンビックメッセージに通ずることですが、大切なのは複雑ではなく、単純に分かるまでそぎ落とすことです。
伝えるときはこの「kissの法則」が大切になります。
・主役は誰かを確認する
スピーチをするときはあなたが主役なのではないですよね?
『聞き手』が主役であって、あなたは聞き手をワンビッグメッセージに導くガイドです!
そのためにも、ワンビックメッセージはターゲット(聞き手)のことを理解して、聞き手の感情が動くものにしないといけません。
・ストーリー(物語)を作る
ストーリーを作るためには、4つのFを心がける必要があります。
Failure 『失敗』
Frustration 『不満』
First 『初めての経験』
Flaw 『欠点』
同調できるストーリーを作るためにはネガティブな要素が必要です!
そして先ほども書いた通り、人は誰しも『情報』ではなく『ストーリー』に惹きつけられるということが言えます。
※プレゼンの成功はストーリー作りにかかっていると言っても過言ではない。
(例)
→「禁煙したいと思ったら読むべき記事」 ×
よりも・・・・
「何度も禁煙に失敗した自分が、唯一禁煙に成功した方法」 ◯
の方が、読みたくなりませんか?
後者の方が、ネガティブの要素・ストーリーの要素が入っているし、何より「リアル感」が出ますよね。
「俺にでもできそう・・・」と思ってもらえることが大切です!
・共通点を探る
アリストテレスが唱えた『説得の三要素』というものがあります。
それが以下の3つの要素。
・エトス(信頼)
・パトス(共感)
・ロゴス(論理)
人が話を聞こうとするのは、土台としてまず「信頼」があるからです。そのうえで、人は理論だけで動く生き物ではありません。
信頼・理論そしてもう一つ大切な要素が、「共感」です。
3つが揃って初めて、『人の頭と心を動かす』事ができます。
聞き手と、その人(自分)という円の重なる共通項を探す事は色んな面で大事になります。
例えば・・・
就活では
『自分の学歴、勤務経験、スキル、哲学、特技、性格、強み』
『相手企業の理念、社風、歴史、事業や代表商品、ブランドイメージ』
という両方を照らし合わせ、
『この企業のベネフィット(利益)になることで、自分が提供できるものは何か?』と考えていくのが大切になります。
人を説得し、自分の理想を叶えるためにはこの3つの要素「エトス・パトス・ロゴス」が大事になります。
・最も大切なこと!
ここまで、人に思いを伝えるために大事な事をいくつか紹介しましたが、最も大切な事をまとめます。
最も大切な事は、「相手に寄り添う、相手の立場になり考えること。正しさを頭に伝えるばかりで、心に伝えないことはしない。」ということです。
皆さんが思いを伝えたい、伝えることで得たい効果はすべて人との関わりの中で起こっている事だと思います。
ライオンやチーターのような動物に伝えようとしているのではなく、伝えたい相手はあくまで人間。
だから、どんなメッセージを考えたとしても、その根底には心と心で繋がっていることが大事です。
つまり、相手のことを思いやる気持ちを持つことが何より必要なことです。
まとめ
今回は「20字に削ぎ落せ」という本を中心にスピーチ・プレゼン・伝え方に大切な事ことをまとめました。
・相手のことを思いやる
・最も大事なことは20字以内で伝える。
・ストーリーを売る。
・共通点を探る …etc
この本は「ブログ」を書く上でも大事なことが詰まっているなと感じました。
結局、プレゼンもスピーチもブログもラジオも、提供しているのは人に対してです。
「人が動くときというのは、感情が動くとき」
いつ、どうやったら動くのか?それは何故なのか?
ブログを読んでもらえれば(もっと深く知りたい方はこの本を読んでもらえれば)わかると思います。
いかに相手のことを理解できるかが勝負です!